緑内障のレーザー治療は安全?目薬では眼圧が下がらない方
ツイート緑内障のレーザー治療には大きくわけて
「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」の2種類がありますが、
それぞれの症状は違う病気かのように原因が異なっています。
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緑内障を目薬で治療されている方も、
眼圧が下がらずやむを得ない場合はレーザー治療を行うことになります。
これは「開放隅角緑内障」の方への治療で、
レーザー線維柱帯形成術と呼ばれるレーザー治療を行います。
開放隅角緑内障は線維柱帯が目詰まりを起こして
房水の流れが悪くなっています。
そのため、線維柱帯のところどころにレーザーを照射して目詰まりを解消し、
眼圧を下げようというのがレーザー線維柱帯形成術の狙いです。
このレーザー線維柱帯形成術は通院で行うことができ、
治療そのものは15分〜20分程度で終わります。
まず点眼による局所麻酔を行なって、レーザーを照射します。
レーザー治療を行った後に一時的に眼圧が上がる場合があるので、
治療後1〜3時間程度は病院に残って、眼圧チェックを受けます。
この治療によって眼圧が下がる人も多いですが、それでも下がらない場合は
「閉塞隅角緑内障」と同様にレーザー虹彩切開術を行います。
近年の新治療法としてSLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)という方法があります。
従来はアルゴンレーザーを用いた方法が主流でしたが、
周辺にも熱損傷を与えてしまうので繰り返し照射する治療には限界がありました。
SLTの場合は弱くて短い波長のレーザーを使い、メラニン色素を含んだ箇所のみに
選択的に当てることができるので、周辺に熱損傷を与えません。
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そのためSLTは目詰まりしてきたら、
繰り返し行うことができるのがメリットです。
治療は5分〜10分ほどと短く、痛みもほとんどありません。
成功すると眼圧下降幅は約2〜6oHg程度で、
眼圧が高い人ほど効果があります。
眼圧の低下の効果が出る人は全体の60〜80%のようです。
レーザー費用は少しかかって、3割負担で3万円くらいはかかりますが、
点眼を減らしたい方や点眼してもなかなか眼圧が下がらない人にとっては
良い治療法だと思います。
緑内障でも「閉塞隅角緑内障」の場合は、発作が起こると急激に眼圧が上がって
失明のリスクが高くなるので、まずレーザー治療を行います。
レーザー虹彩切開術とは、カメラで言うところの
絞りの役割を果たしている「虹彩」と呼ばれる部分に
レーザー光線を当てて小さな穴をあける方法です。
閉塞隅角緑内障の大半は、
房水を排出する場所がふさがれてしまっています。
これをレーザー光線を使って虹彩に穴をあけることで、
房水の排出が改善できます。
レーザー虹彩切開術もレーザー線維柱帯形成術と同様に通院で行うことができ、
点眼麻酔を行い治療も短時間で済みます。
これらのレーザー治療を行っても改善しないようであれば、
手術も視野に入れなければなりませんが、レーザー治療自体はさほど痛くも怖くもありませんので、
緑内障の進行を遅らせる手段として安心して臨んでくださいね。